工業用洗浄剤

皆さんお久ぶりです。今月は工業用の洗浄剤についてお話したいと思います。

1.洗浄剤とは何か?

さて、洗浄剤とは何でしょう。

これには、衣料用や台所用、住居用なども含まれています。

一般的に家庭で使う石鹸や洗剤も、洗浄剤の一種なんですね。

さて、私たちは油屋さんですので、今回は、金属加工物(加工された製品)を洗う、工業用の洗浄剤に焦点を当てたいと思います。

JIS規格では、洗剤・洗浄剤という言葉には「固体の表面に付着した汚れに対し洗浄作用をもつ薬剤。主として合成洗剤をいう」と記載されています。

さらには、工業用洗剤は「繊維工業、機械・金属工業、食品工業などの諸分野で用いられる洗剤。」と。

単に洗浄剤と言っても、用途によって大きく変わるのです。

2.なぜ、金属加工物を洗浄するのか?

ではそもそもなぜ、加工物を洗浄する必要があるのでしょうか??

え?そりゃ汚れているからでしょう・・・・・って思いました?

では、なぜ汚れるのでしょうか??また、なぜ、汚れたままではいけないのでしょうか?

まず、なぜ汚れるのか。

切削加工の場合の、切削油剤の汚れを例に挙げてみましょう。

加工物を切削する際に大量の切削油剤を使用することがほとんどだと思います。

切削油剤には、材料についた防錆剤やホコリ、インク、接着剤、錆などの汚れや、加工機の潤滑剤が混ざった状態になり、加工の際にそこに熱が加わり、切削油剤の一部が蒸発した状態で加工物に付着しています。

その付着した汚れイメージは・・・加工機周辺の真っ黒のベトベトですね。

その他にも加工物が接触した物質は切削油剤に持込まれると考えられます。

では、なぜ汚れたままではいけないのか・・・。

切削油剤の場合を考えますと・・・汚れが付着したままだと、酸化により加工物の腐食や、トラブルの原因になると考えられます。

加工物を清浄にすることで、トラブル対策にもつながるんですね。

3.洗浄剤の分類

【洗浄剤の分類】

洗浄剤は大きく分けて「水系」「準水系」「非水系」の三種類に分けられます。

【水系】

・アルカリ性

・中性

・酸性

【準水系】

・可燃型

・非可燃型

【非水系】

◆可燃型

・炭化水素系

・アルコール系

◆非可燃型

・フッ素系

・塩素系

・臭素系

種類はたくさんあり、用途も特徴もそれぞれ違います。

一般的に水溶性切削油剤を洗浄するのに使用するのは、水系のアルカリ性・中性の洗浄剤ですので、今回は水系のアルカリ性・中性の洗浄剤に焦点を当ててみたいと思います。

4.水系洗浄剤の特徴

水系洗浄剤とは、水でうすめて使用する洗浄剤で下記のような特徴があります。

【特徴】

メリット

・可燃性が無い

・毒性が低く、影響が少ない

・安価で適応範囲が広い  等

デメリット

・発錆の可能性がある

・乾燥時間が長い

・リンス(濯ぎ)を必要  等

上記に挙げたように、水系洗浄使用の場合は、防錆対策が必要となってきます。

残渣を残さない、防錆効果を高める洗浄剤をおススメします。

5.洗浄剤の選び方

洗浄剤を選ぶ際には、まず、洗浄剤の特徴を知ることが大切です。

その上で、対象となる洗浄設備,環境や生産工程を確認しましょう。

STEP1 洗浄剤の種類と特徴の把握

各洗浄剤の種類と特徴をしっかりと把握しましょう。

清浄度や洗浄方法、廃棄物も処理などを確認し、目的にあった洗浄剤を選択しましょう。

STEP2 洗浄目的の把握

対象となる洗浄設備,環境や生産工程を確認しましょう。

汚れの種類や付着箇所の確認によって選択すべき洗浄剤は変わってきます。

また、それぞれに汚れにあった洗浄方法があります。

まずは、対象の汚れをしっかりと把握しましょう。

【洗浄剤選択のステップ】

・なんのために洗浄するのか?

・なにを洗浄するのか?

・どこまで洗浄するのか?

 ⇒明確に

・被洗浄物の材質・形状

・汚れの種類・性状・性質

・要求清浄度・仕上がり

⇒確認する

↓↓↓

洗浄剤

洗浄装置

乾燥装置

⇒システム決定

少し詳しく、さらに、わかりやすく解説したものをまたお届けしたいと思います。楽しみにしててください(^^)/

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