今回のテーマは「水溶性切削油剤の腐敗」。なぜかというと、前回、水と水溶性切削油剤の関係をお話したので、水溶性切削油剤について、もう少し掘り下げてみようかな。なんて。

1.水溶性切削油剤の腐敗とは

そもそもですが、水溶性切削油剤も使い方によって腐敗するってご存知でしょうか?

水溶性切削油剤は性能が低下した際に、全交換すると思います。水溶性切削油剤の腐敗はその、水溶性切削油剤の使用期限に関係してきます。

水も長期間放置しておけば、腐敗しますよね?

水溶性切削油剤は水で希釈した油剤です。長期間放置されたものは腐敗してしまいます。

しかし、その期間はそれぞれ違います。

2.水溶性切削油剤の腐敗の原因

では、なぜ水溶性切削油剤が腐敗するのか?

主な原因は微生物です。

得てして、微生物とはあらゆるところに存在しています。

作業者の衣服・空気中・加工物・加工機・タンクなど。そして、希釈用の水にも存在している場合があるため、微生物の侵入を完全に防ぐことは難しいのです。そこで、油剤を腐敗させないためには、その微生物を増殖させないということが大切になってくるのです。

3.主な腐敗による悪臭発生のメカニズム

STEP0 水溶性切削油剤に微生物が侵入

【主な侵入経路】

・希釈水 ・各種添加剤 ・作業者の衣服または身体

・被加工物・作業環境内の各種機械装置 ・土壌 など

 

STEP1 好気性細菌の繁殖

好気性細菌とは酸素を好む細菌のことです。

好気性細菌は水溶性切削油に混入する潤滑油や油剤成分などを栄養源にして活発に繁殖します。このとき糖やたんぱく質を生成します。酸素を消費するため、水溶性切削油は酸欠状態になっていきます。

→このとき臭気はまだありません。

 

 

 

STEP2 通性嫌気性細菌の繁殖

通性嫌気性細菌とは酸素の有無にかかわらず生育可能な細菌のことです。

主に腸内細菌・乳酸菌などが増殖し有機酸が生成されpHが低下します。

水溶性切削油に機械潤滑油が大量に混入した場合、浮上した油分で空気を遮断します。

 

 

 

STEP3 嫌気性細菌の繁殖

嫌気性細菌とは酸素を嫌う細菌のことです。

好気性細菌で生成された糖やたんぱく質を栄養源に嫌気性細菌が増殖します。

代謝物として、硫化水素、メルカプタンなどを放出することで悪臭が発生します。

色相が黒く変化する反応などが見られます。

※油剤の種類によって経過や反応は異なります。

4.腐敗防止

腐敗を防止するには、無菌状態にするのが一番なのですが、作業環境を完全に無菌状態にするのは、不可能に近いと言えます。そこで、正しい油剤の管理を定期的にすることや、目的にあった添加物や防腐剤を使用することで微生物の増殖を防止することが大切です。

【微生物生育の四つの要素】

・温度 ・pH ・水分量 ・栄養源

 

【水溶性切削油剤管理のポイント】

・外観 ・臭気 ・pH ・濃度 ・菌数  など

 

適した油剤の選択と正しい油剤の管理で腐敗を防止しましょう。

詳しくはお問い合わせください。

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