以前の防せい(錆)油のコラムで、「防せい(錆)油の前処理の大切さ」を少しだけ書きました。

今回はそこをちょっと詳しく書かせていただきます。

※以下、防せい油とします。

 

皆さんも「防せい油をしっかり塗ったのに錆が・・・!?」なんて経験ありませんか?

錆のトラブルが発生すると、錆の除去や検査には時間もコストもかかります。そして、何より丹精込めて造った大切な製品が錆びたときのダメージは何とも言えません。

 

では、なぜ防せい油を塗っても錆びるのでしょうか?

 

防せい油を塗っているのに錆が!?・・・要因その1:腐食因子の付着

錆の多くは腐食因子の付着にあります。

腐食因子とは主に水分や汚染物質。これらが付着したまま防せい油を塗ると錆が発生することがあるのです。

 

解決方法:洗浄と乾燥

錆や腐食などの腐食因子から、被膜などで金属を遮断してしまえば金属は錆びません。その考えで、防せい油を塗るのですが、そもそも防せい油を塗る金属の表面に腐食因子が残っていたら、環境や条件の違いによって防せい油本来の効果が十分に発揮されません。

そこで、防せい油を塗る前に、製品をしっかりと洗浄・乾燥する清浄作業が必要になってきます。

 

 

 

 

 洗浄方法・乾燥方法の選び方

工業用洗浄剤のコラムでも少し触れましたが、洗浄方法は「どの汚れ」を「どの程度」まできれいにするのか、付着物・腐食因子・目的など条件に応じて選択します。

洗浄方法や乾燥方法は多種多様なので、しっかり、製品と目的にあった方法を選択することをおすすめします。(いつか洗浄剤の特集書きたいです)

 もし、錆が発生してしまったら・・・

1.錆の状態を確認し、腐食因子付着箇所の絞り込み

A. 加工した表面部分のみに錆がある場合

→ 表面部分の最終加工から梱包までの間で腐食因子が付着

B. 加工した表面部分以外に錆がある場合

→ 加工前の素材の状態から梱包までの間で腐食因子が付着

2.1で対象となった工程毎に、さらに詳細な腐食因子付着箇所の絞り込み

※腐食因子は見える場合と見えない場合があります。

←薬品残りが原因の錆

 

腐食因子の同定にはお金が掛かりますが、元素分析をおすすめします。作業工程で付着する腐食因子が分かれば原因が特定され、対処方法が決まります。ぜひご相談ください。

 

防せい油を塗っているのに錆が!?・・・要因その2:環境・季節

梅雨時に錆が多く発生する理由の一つは湿度…ということは、一般的にも知られています。しかし、湿度に関係する気温の変化や天候、エアコン使用の有無や梱包する作業環境も、錆や腐食の要因に含まれます。

 

解決方法:防せい油を知り、環境を整備する

防せい油には数多くの種類があることはお話ししました。どんな環境に強く、逆にどんな環境に弱いのか。防せい油の特性を知り、目的にあった防せい油を選択することが大切です。

梅雨時の雨や真夏の夕立、一日の温度変化が大きい日の梱包品のみに発錆したなんてケースもあります。

←目に見えない水分と汚れが原因の錆

 

 

 

 

梱包後の温度変化による結露や目に見えない水分の除去には、水置換作用のある防せい油をおすすめします。

金属表面についた水分の下に潜り込み、防錆被膜を形成する、防せい油で水の除去と防錆処理を一度に行うことができます。

もし、錆が発生してしまったら・・・

・発錆時期が決まっている場合

梱包作業現場に温度計と湿度計を設置して一日の温度変化と湿度変化のデータを取り、 梱包日、出荷日と錆びの関係を確認するところから始めましょう!

日頃からの準備が大切です。

梱包作業現場と輸送時の環境、腐食因子の確認が重要です。

 

錆びる条件を知れば、防せい処理前の重要性に繋がります。

金属表面に腐食因子の水分や汚れを残したまま防せい処理を行った場合、条件が揃えば錆は発生します。表面に何もない状態で防せい処理をすることが理想です。

その意味で、防せい油を塗る前に、製品をしっかりと洗浄・乾燥する清浄作業と防せい油の選択が重要です。

 

防錆油

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洗浄剤

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